パンデミックに対応:診断検査ラボでのリキッドハンドリングを迅速にスケールアップする方法

· ユーザー証言

パンデミックに対応:診断検査ラボでのリキッドハンドリングを迅速にスケールアップする方法

PCR testing and serology workflows using INTEGRA's range of liquid handling products

サンプルの安全な回収

COVID-19検査ワークフローの開始時点から、ウイルス検体の安全な回収、輸送および保存ができる製品が必要です。ドイツのデュッセルドルフにあるXebios Diagnostics社は、微生物診断アプリケーション用の高品質な滅菌済みウイルス輸送培地(VTM)を製造しています。DOSE ITペリスタルティックポンプで、VTMを滅菌スクリューキャップチューブそれぞれに、迅速で効率的に分注することが可能になり、同社はウイルス検体培地に対する市場の需要に応えています。

Xebios Diagnostics社がどのようにDOSE ITを使用しているかご覧ください.

Scientist using the DOSE IT peristaltic pump in a laminar flow cabinet
Photo courtesy of Xebios Diagnostics

チューブからプレートへ

血清学的検査およびPCR検査のワークフローでは、患者サンプルを個々の回収チューブ(採血チューブまたはスワブチューブ)からマイクロプレートへ移す必要があります。VOYAGER電動チップ間隔可変ピペットはこのワークフローに最適です。ボタンひとつでチップ間隔の自動調整ができるため、さまざまなタイプの実験容器間で最大12サンプルを高速度で分注することが可能です。ワークフローの全自動化に対応するために、ASSIST PLUS ピペッティングロボットは、チューブからプレート等の異形容器間の分注など、一連のルーチンピペッティング作業の効率化が可能です。COVID-19の危機のさなか、世界的な消耗品の需要逼迫により、さまざまなサイズや直径のスワブチューブを使用せざるを得なくなった検査ラボもありました。ASSIST PLUSには汎用性があるので、プログラム内の少数のパラメータを変更するだけ、ワークフローへの影響は1ステップのみで、さまざまなチューブタイプが使用可能になりました。

SARS-CoV-2 RNA抽出を自動化するASSIST PLUSピペッティングロボット

核酸抽出

チューブからプレートへのリフォーマットの後、PCR検査の前に、拡散抽出を行う必要があります。PCR検査はSARS-CoV-2ウイルスの存在を調べる最有力の方法です。VIAFLO 96/384ハンドヘルド電動ピペットは、緩衝液またはサンプルを同時に96または384ウェルに加えることができるので、スループットの向上に、理想的なオプションです。また、磁性ビーズを用いた多くの精製プロトコルや、真空マニホールドを使った各種シリカベースキットなど、さまざまな抽出方法に対応できる、申し分のないソリューションです。カリフォルニアを拠点とする医療機器会社Neoteryx LLC社は、この柔軟性の高い装置によって、1日あたり数千個のサンプルを、確実かつ再現性高く処理しています。本装置は、新しいハイスループットの生物学的サンプル採取するシステムとして、また、米国におけるコロナウイルス感染症の未検出症例を定量化するための処理システムとして、不可欠な存在となっています。

PCRセットアップ

PCRの設定には、Master Mixとウイルス核酸を混合することが含まれ、時間がかかり、エラーが発生しやすいものです。当社の電動ピペットは、これらの段階での生産性および再現性を高めることで、PCR検査速度や品質の向上に役立ちます。そのため、オーストラリアのブリスベンにあるSullivan Nicolaides Pathology(サリバン ニコライズ パソロジー[SNP])の微生物学・分子病理学部門は、患者サンプルのCOVID-19検査の向上を目的として、当社と提携しました。サンプル処理能力を拡大するために、新たな自動リキッドハンドリング装置が必要なことは明らかでした。そのためSNP社は、ASSIST PLUSピペティングロボットに装着したVOYAGER電動チップ間隔可変ピペットと、SureFlo™ アンチシーリングアレイ を備えた試薬リザーバーを用いて、自動ピペッティングプロトコルを開発し、検証を行いました。これにより、低容量の384ウェルプレートで、サンプルの効率的な調整が可能になりました。迅速でハイスループットなプレートベースのリアルタイムPCR増幅と検出装置における後処理において使用されるものです。柔軟性に関しては、384ウェルプレートベースのプロトコルを96ウェルフォーマットへの変更も容易です。

ASSIST PLUS pipetting robot testing patient samples for COVID-19
Photo courtesy of Sullivan Nicolaides Pathology

血清検査

パンデミックの拡大に伴い、個々の患者の免疫応答を解析し、また集団免疫を評価するために、血清学的検査の必要性が高まっています。これらのイムノアッセイは、第2波のピークの可能性を追跡し、それに応じてロックダウンの制限事項を調節するために、不可欠です。そして多くの場合、インキュベーションと洗浄の後には、いくつもの吸引ステップにより緩衝液を除去することが必要です。そこで、当社のVACUSIP携帯型吸引システムが登場します。VACUSIPは、極めて安全かつ簡便に液体廃棄物を除去し、これらのワークフローにシームレスに適合します

ウェルプレートからの液体吸引用マルチチャンネルアダプターと組み合わせたVACUSIP吸引システム

COVID-19流行前、流行中、流行後の検査需要の変化に向け、将来的にも使い続けられるシステム 

当社の製品ポートフォリオは、COVID-19に伴う緊急需要に対応するためにワークフローを調整しなければならなかった検査ラボや、新規および既存のプロセスの迅速な導入とスケールアップを必要とする検査ラボには、最適なものとなっています。幸なことに、当社の製品ラインナップは、あらゆるワークフローに有用です。この度の危機においては、そうした汎用性を十分に示した形となりました。