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人間工学に基づいたピペット&ピペット操作のガイドライン
ピペット作業でRSIを引き起こすものとは?
人間工学に基づいたピペット作業に関するテーマでは、様々な用語や略語が飛び交っています。例えば:
- RSI:反復運動過多損傷
- WRULD:作業関連上肢障害
- MSD:筋骨格系障害
- CTD:累積外傷障害
説明すると長くなりますが、端的に言えば、これらの用語は基本的にすべて、長時間の反復運動によって引き起こされる手や肘、肩、首の痛みを指すものです。この記事では、RSIという用語を使います。ピペット作業によるRSIの発症可能性には、様々な危険因子が関わっています。その中でも、姿勢、力、反復が3大危険因子です。
姿勢
多くの実験室において、ピペット作業は実験台に向かって座って行われます。パソコンの前に座っているときと同じように、背筋を真っすぐに伸ばし、できる限り頭と肩が一直線になるようにして、肩の力を抜くことが大切です。脚は実験台の下に収まるようにし、足の裏を床にぴったりつけるべきです。必要に応じてフットレストを使用しましょう。腕は、身体から離さないようにすることが理想です。すべての試薬や実験器具が手の届く範囲にくるよう作業場を整理整頓し、身体を伸ばさなくても手に取れるようにしましょう。
力
RSIは多くの場合、力のいる動作の繰り返しによって引き起こされます。そのリスクを減らす方法のひとつは、特定の作業の実施に必要な力を最小限にするか、その必要頻度を減らすことですが、理想はこの両方を実行することです!ピペットを持ち上げ、使用中にまっすぐな姿勢でそのまま持ち続け、液体を吸引・吐出して、チップを着脱するには力が必要です。ピペット操作に必要な力を軽くするためにはいくつかの方法があります。この点に関して、ピペットを選ぶ際に注意すべき点を次のセクションで説明します。
反復
1日に数時間、週に数日というように、同じ単調な動作を繰り返し行うことも、RSI発症の重要な危険因子です。次のセクションでは、ワークフローのピペット操作ステップ数を減らす方法についても見ていきます。
RSIを予防するには
ピペット操作によってすでに痛みを感じていたり、今後も痛みを感じずに作業したいと思うなら、お使いのピペットが人間工学に基づいて設計されているかどうかを確認する必要があります。ピペット操作でどれくらいの力が必要か、どれくらいの頻度で動作を繰り返す必要があるかという点について、いくつか考えるべきポイントがあります。
ハンドルとフィンガーフック
ピペットを持ち上げ、姿勢をまっすぐにしたままピペットを持ち続けることの負担は、卓上型の器具や自動化させたプラットフォームに切り替えない限り避けられない問題です。しかしながら、軽量でバランスのとれたデザインのピペットは、持ち続けるのが容易です。例えばフィンガーフックがあれば、ピペットの重量の一部が人差し指にかかるようになるため、手と指で握りしめる力を緩めることができます。さらに、ハンドル部分が回転するピペットは、手首を自然な位置に保つのに役立ち、それぞれのユーザーが自分にとって理想的な位置を選ぶことができます。
プランジャー操作に必要な力
ピペットは、プランジャーを上下に動かしたときのみ、液体を吸引・吐出します。手動ピペットを使用する場合、親指の力でプランジャーを押したり放したりする必要があります。親指の腱鞘炎といった問題のリスクをできる限り低く抑えるには、プランジャーにかける力とストロークの距離が最小限のピペットを選ぶ必要があります。手動のピペットを電動ピペットに置き換えれば、液体の吐出量がマイクロプロセッサーによって制御されるため、親指にかかる負担を最小限に抑えることができます。
チップの着脱に必要な力
ピペットチップはポリプロピレンでできているため、メモリー効果を持っており、元の形に戻ろうとします。そのため、汎用チップ(複数のメーカーの円錐形のフィッティング部に合うように設計されたもの)は、いつかは緩んだり、液漏れしたり、脱落してしまいます。このような問題を避けるため、汎用チップを使用するユーザーはチップをピペットにしっかり押し込み、ピペット操作の実行中に抜けないよう、確実に固定する必要があります。このような動作は、チップの装着に大きな力が必要なだけでなく、チップを排出するのに必要な力も大きくなることを意味します。フィッティング部にピタッとはまる独自のチップを使用するように設計されたピペットを使用すると、チップの着脱に必要な力が小さくて済むため、手や親指への負担を軽減することができます。
容量変更のメカニズム
従来の手動ピペットでは、単一回転構造のダイヤルやプランジャーを使って容量を設定します。この方法では、頻繁に容量を調整する際に手首や指に負担がかかることになます。特に小容量と大容量の間を切り替える場合はなおさらです。ただ、別の容量変更のメカニズムを備えたピペットもあります。例えば、暗証番号式の鍵のように、ダイヤルが複数備わったピペットがあります。このような機構が備わっている場合は回転運動の回数が減るため、RSIのリスクを最小限に抑えることが可能です。
効率性
同じ動作を何度も繰り返すと、RSIを発症したり悪化させたりするリスクが常に高まります。そのため、作業効率を高めるように設計されたピペットを探すことが必要です。マルチチャンネルピペット、チップ間隔可変ピペット、電動ピペットを使用することが有効です。
- マルチチャンネルピペットvs.シングルチャンネルピペット:マルチチャンネルピペットでは、リザーバーからマイクロウェルプレートへの試薬移し替えといった作業を効率化することができます。例えば、リザーバーから96ウェルプレートへの移し替えの場合、シングルチャンネルピペットでは96回のピペット操作が必要ですが、8チャンネルピペットを使えば、回数をわずか12回に減らすことができます。
- チップ間隔可変ピペットvs.シングルチャンネルピペット:マルチチャンネルピペットのすべてのチップ間隔が固定されている場合、異なるフォーマットの実験器具間で試薬やサンプルを移し替える際には、シングルチャンネルピペットを使用しなければなりません。一方で、チップ間隔可変ピペットを使えば、チューブと384ウェルプレート間の移し替えなど、異なるフォーマットの実験器具間で複数のサンプルを並行して移動できます。
- 電動ピペットvs.手動ピペット:電動ピペットは、プランジャーの押下・解放に必要な親指の力を軽減するだけでなく、ピペット作業にかかる時間を短縮するのに役立ちます。例えば、96ウェルプレートのすべてのウェルに一定量の試薬を入れる必要がある場合、手動のシングルチャンネルピペットでは、リザーバーとマイクロプレートの間を96回往復しなければなりません。一方で、電動ピペットには連続分注モードが装備されているため、リザーバーから大量の試薬を一度に吸引して、96ウェルプレートの複数のウェルに分注できるため、ピペットステップの回数を減らすことが可能です。
エルゴノミックピペットの特徴
まとめると、ピペットを選ぶ際には、人間工学に基づいて次のことを確認しましょう:
- ピペットを手に取ったとき、良好なバランスがとれているか?
- しっかり握らないとピペットが持てないか?フィンガーフックは付いているか?
- ピペットのハンドルは回転させることができるか?
- チップの装着と取り外しに必要な力は軽いか?チップはフィッティング部にピタッとはまるか?それともチップをピペットに押し込む必要があるか?
手動ピペットを使う方は、以下の点も考慮する必要があります:
- ピペットは重いか、軽いか?
- ピペットのプランジャーは軽い力で操作でき、ストロークは短いか?
- 容積を変えるには回転の動作を何度行う必要があるか?
- 反復運動の回数を減らすために、マルチチャンネルピペットやチップ間隔可変ピペット、電
動ピペットに切り替えたほうがよいか?
INTEGRAができること
当社は、ピペット作業が苦痛を伴う作業であることを知っています。そのため、新製品を開発する際には、常に人間工学を念頭に置いています。当社のリキッドハンドリングソリューションがRSIの予防にどのように役立つかご確認ください。
GRIPTIPS®ピペットチップ
当社のピペットはGRIPTIPSと組み合わせることで、ピペットチップを押し込む必要がなくなります。GRIPTIPSは、最小限の力で簡単にフィッティング部にはめ込むことができます。過剰な押し込みを防げるため、排出に必要な力も低減され、ユーザーの手と親指への負担を最小限に抑えることが可能です。
EVOLVE手動ピペット
当社のEVOLVE手動ピペットは、軽い力でプランジャーを操作でき、軽量で、フィンガーフックも付いているため、RSI発症リスクを軽減できます。単一回転構造のプランジャーやダイヤルを使って容量調整するのとは対照的に、EVOLVEは3つの独立したクイックセットダイヤルを備えています。そのため、10倍以上の速さで容量を設定できるだけでなく、必要な回転動作の回数も減らすことができます。EVOLVEには、ピペット操作のステップ数を最小限に抑えるために、1、8、12、16チャンネルのオプションがあり、すべてのマルチチャンネルオプションに回転機構式のハンドルが備わっています。
SWITCHハイブリッドピペット
SWITCHハイブリッドピペットは、手動ピペットと電動ピペットの長所を1台に統合した軽量でバランスのとれたピペットです。ユーザーは、手動による精密な吸引・吐出と、電動連続分注による迅速な等量分注を、作業に応じてシームレスに切り替えることができます。SWITCHは人間工学を考慮して設計されており、手のひらに快適にフィットするハンドル部の寸法、どんな容量設定でもプランジャーの高さが一定で常に親指を無理のない位置に保てること、およびプランジャーを押し下げる力が極めて少なく済むことを特徴としています。また、容量設定時に必要な手首の動きが従来のハンドヘルドピペットに比べてはるかに少なく、迅速な容量設定が可能です。これらの革新的技術により、反復の多いワークフローにおける負担が軽減され、吸引・吐出をより速く、より効率的に行うことができ、実験台での長時間の作業もより快適になります。
VIAFLO電動ピペット
VIAFLO電動ピペットは、軽量でバランスの取れたデザインで、フィンガーフックがあるため持ちやすくなっています。VIAFLOには直感的に操作できる10種類のピペットプログラムが予め設定されているため、一般的なアプリケーションを迅速かつ簡単に実行し、ピペットにかかる時間を短縮できます。より複雑なアッセイには、使いやすいカスタムプログラムを利用できます。ピペットパラメーターは、人間工学に基づいた親指ホイールインターフェースを使用して調整できるため、設定変更のために何度もボタンを押す必要はありません。マルチチャンネルのオプションでは効率をさらに高めることができ、ハンドルを回転させることができるため、すべてのユーザーが理想的なピペットポジションを見つけることができます。
VOYAGERチップ間隔可変ピペット
VIAFLO電動ピペットと同様、VOYAGER電動ピペットも人間工学に基づいて設計されており、フィンガーフックと回転式ハンドルが備わっています。こちらも、親指ホイールインターフェースとピペットモードを搭載しているため、ワークフローをスピードアップさせることが可能です。しかし、中でもユニークなのは、チップ間隔を自動で調整する機能です。ボタン1つを押すだけでチップ間隔を広げたり狭めたりできます。この機能のおかげで、異なるフォーマットの実験器具間で複数のサンプルを並行して簡単に移し替えることができ、こういった作業にシングルチャンネルピペットを使用する必要がなくなります。ピペットに作業かかる時間が大幅に短縮されるため、RSIのリスクが軽減されます。当社の計算機を使えば、ピペット作業にかかる時間をどれだけ短縮できるかを調べ、VOYAGERピペットへの投資がどれだけ早く回収できるかをご確認いただけます。
PIPETBOY GENIUSピペットコントローラー
大量のリキッドハンドリングにおいても、人間工学に基づいたソリューションをお探しですか?ぜひPIPETBOY GENIUSセロロジカルピペットコントローラーをチェックしてみてください。当社製のセロロジカルピペットと組み合わせれば、1回の吸引で、0.1~100mlまでの複数の等量分注を、簡単かつ一貫して連続で実行できます。この機能のおかげで、目盛りを確認する必要がなくなり、体への負担が軽減されます。また、どのくらい液体を吐出したか確認するために不自然でつらい姿勢を強いられることがなくなるため、目の疲れも軽減されます。
MINI 96、VIAFLO 96とVIAFLO 384ピペット
当社の9チャンネル、384チャンネル電動プレート分注機を使えば、ピペットを直立位置に持ち上げて持ち続ける必要がありません。必要なのは、ハンドルを握り、目的の場所にピペットを動かすだけです!サーボモーターが動きをアシストするため、楽にピペット操作ができます。また、直感的に操作できる親指ホイールインターフェース、コンピューター制御されたプランジャー、電子制御のチップ着脱機能が備わっているため、手や手首にかかる負担がさらに軽減されます。また、これらのピペットは、1回のピペットステップで96ウェルまたは384ウェルプレート全体を充填できるため、効率を大幅に向上させてベンチで費やす時間を最小限に抑えます。
ASSIST PLUS分注ロボット
ASSIST PLUS分注ロボットは、手頃な価格でワークフローや反復作業を完全に自動化し、肉体的負担をなくすことを目指す研究室にぴったりのソリューションです。この装置では、VIAFLO電動ピペットやVOYAGER電動ピペット、D-ONEシングルチャンネル分注モジュールを自動化することができます。また、VIALABソフトウェアを使って、特別なトレーニングを受けることなく簡単にプログラムを設定可能です!
人間工学に基づいたピペット操作やピペットソリューションについて詳しい情報をご希望ですか?ぜひ、当社のリキッドハンドリングのエキスパートによる無料のトレーニングセッション(オンラインやオンサイト)をご予約いただくか、製品デモのリクエストをお送りください。
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