INTEGRAの電動ピペットは微生物進化の研究ため重要なスクリーニングを可能にします

· ユーザー証言

INTEGRAの電動ピペットは微生物進化の研究ため重要なスクリーニングを可能にします

VOYAGER電動チップ間隔可変ピペットおよびVIAFLO軽量電動ピペットは、大量のサンプル分析を必要とする研究に最適な実験機器であり、ワークフローを効率化し、再現性のある結果を得ることができます。Astrid Altamirano-Junqueira博士は、レディング大学の生物学研究所で細菌の運動性の進化に関する博士研究を修め、これらの電動ピペットが自身の研究にどのように役立ったのかを語っています。「私は英国で2019年に微生物進化の研究で博士号を取得しました。微生物の運動性に注目し、Pseudomonas fluorescensの鞭毛マスター調節遺伝子FleQの欠失の作用について調べました。細菌進化では、遺伝子が複製されて変異し、新しい役割を担うことがよくあります。40株以上のさまざまなFleQノックアウトP. fluorescens株を用いて遺伝子発現に関する詳細な研究を行い、鞭毛タンパク質の発現および運動性を回復させるために窒素経路が再編成された新規菌株を同定しました(野生株では鞭毛マスター調節遺伝子FleQも窒素経路に関与します)。その後、この新しい「スイマー」株が窒素飢餓によってどのような影響を受けるかについて、研究を続けました。」

迅速な結果を実現

「私の最初の課題はFleQノックアウト突然変異体を生長させることでした。この突然変異体が培地中に出現するまで、処理のやり方によって1~20日間かかります。P. fluorescens は本来、移動性の細菌であるため、表面に付着または懸濁液中で生長する微生物用にデザインされた従来のインキュベーター設定は、現実的な選択肢ではありませんでした。鞭毛を持つP. fluorescensの撹拌が不十分であったため、細菌がウェルの底に沈降し、成長要素の欠乏をきたしました。これは、窒素飢餓がなくても経時的な成長の低下を引き起こし、結果が歪む恐れがあります。そのため、Bioscreen C MBR分析装置を使用する必要がありました。この装置はプレートを強く振盪させることができ、プレートを静置固定せずに振盪しながら測定することが可能です。」

VOYAGER チップ間隔可変マルチチャンネル電動ピペット チップ間隔可変マルチチャンネル電動ピペット

「Bioscreen Cを使用する際の課題は、ハニカム構造のマイクロプレートを使用することです。このマイクロプレートのウェル間隔は、標準96ウェルマイクロプレートのウェル間隔とは異なります。私は最初、各ウェルを個別にピペッティングしていましたが、このプラットフォームは一度に最大200個のサンプルを培養分析できるため、かなりの時間がかかります。最初の試行では、プレートの準備と接種に6時間近くも要しました。これは非常に疲れる作業であったため、集中力が切れてミスをしてしまうのではないかと心配でした。また、プレートの充填が完了する前に細菌増殖が始まらないよう、プレートを低温維持することは簡単ではありませんでした。時間管理が重要な作業だったため、ピペッティングの効率的なソリューションが必要でした。そこで、代わりとなるピペッティングがないか探していたところ、INTEGRAのマルチチャンネル電動ピペット製品を知りました。実際、Bioscreenマニュアルは、実験機器を最も効率的に使用する選択肢として、VOYAGER電動チップ間隔可変ピペットを推奨しています。これによって、複数サンプルのチューブからプレートまでの移動や、さまざまな間隔のプレート間移動が容易になります。VOYAGERを使用すると、全プレートの充填が15分以内に終了することができます。これは本当にすごいことです。」

Access tube racks

さまざまなワークフローに最適な組み合わせ

「このBioscreen CとVOYAGERの組み合わせにより、さまざまな突然変異体の生物学的複製体を複数生長させて分析し、窒素飢餓とさまざまな窒素源が細菌の移動性に与える影響を調べられるようになりました。また、ワークフローの他の側面で使用するために、シングルチャネルのVIAFLO電動ピペットも入手しました。これもVOYAGERも非常に柔軟性があり、現在は両方のピペットをゲルローディングやPCRのセットアップなどの幅広いタスクに使用しています。シングルチャンネルの手動ピペットを使用するよりも迅速ですし、電動式なので親指に負担がかかりません。従来の手動ピペットは、多数のサンプルを処理したり、複数手順のプロトコルを実施したりすると、ピペッティング時にプランジャーにかける圧力が強いため、手に負担がかります。電動ピペットは、反復運動過多損傷リスクを軽減し、迅速かつ正確であるため、時間と費用の節約につながり、1日に処理できるサンプル数を増やすことができます。また、どちらのピペットもワークフローに合わせてプログラミングできるところが気に入っています。これは私の研究に非常に役立っています。私は非常に多くの株を扱っており、それぞれの株で複数の複製体を作成する必要があるからです。」

ウェルからウェルへの液体移動にVOYAGER IIを使用

実験能力の向上

「VOYAGERとVIAFLOのピペットを使用して時間が節約できたため、博士研究の最後の年には、さらに多くの株と培養条件について研究することができました。これによって、多変量解析に不可欠な株に関して、可能な限り多くの情報を得ることができました。統計を真に解析することができ、さまざまな突然変異体について深い洞察を得ることができました。また、新規アンモニアトランスポーターを同定することもでき、ゲノム配列決定後、新規FleQS4株の発見につながりました。現在、その新規FleQS4株についての出版を準備しているところです。たった2週間で、これら全てのPCR実験ができたのも、全ての株でこの遺伝子のスクリーニングができたのも、INTEGRA電動ピペットのおかげです。VOYAGERには非常に感謝しています」とAstrid博士は締めくくりました。

VOYAGER pipettes allow the tip spacing to expand anywhere between 4.5 mm and 33 mm at the push of a button.