INTEGRA VIAFLO 96/384を利用した細胞培養ワークフローの合理化と標準化

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INTEGRA VIAFLO 96/384を利用した細胞培養ワークフローの合理化と標準化

シュードモナス系細菌は、嚢胞性線維症などが肺にある患者に広く感染する細菌です。それは、シデロフォア(微生物中で鉄と結合してこれを輸送する分子)を産生および分泌します。すべての細胞がこの分子を産生するとは限りませんが、非産生細胞はそれ自身のために、他の生物によって産生されたシデロフォアを利用する能力があり、複雑な個体群動態を発現させます。

同大学の植物・微生物学部の博士課程に在学中のAlexandre Figueiredo氏は次のように説明しています。「私たちが最近完了したのは、緑膿菌に関する進化実験です。このシデロフォアが、シュードモナス菌の他の生物への感染力をどのように高めるのか、そしてさまざまな環境条件がこの化合物の産生にどのように影響するのかを解明することが目的でした。これを行うために、均質集団から始めて、さまざまな環境条件でそれらを培養することにより、非産生細胞の経時的出現について観察しました。培養培地の交換を頻繁に(7ヶ月間にわたって2日ごとに)に行わなくてはならなかったので、このワークフローの効率を高めるシステムが必要でした。同僚がハイスループットスクリーニングのアプリケーションにVIAFLO 96/384を使用してうまくいっているのを見て、これに決めました。」

VIAFLO 96/384はハンドヘルドの電動ピペットです。最大96個または384個のサンプルの高速かつ精密な同時搬送をすることで、分注速度と再現性を向上させ、しかもそれをフルオートメーション分注システムにかかるコストのわずか数分の1の低コストで実現します。Alexandre氏は次のように続けます。「VIAFLO 96/384は、滅菌済み培地のプレートへの分注、連続分注、細胞集団の希釈、培養物の定期的な移し替えにより、ワークフローの合理化を実現しました。それによって時間の大幅な節約になりました。全作業がわずか12時間で完了できたのです。これを手作業でするには68時間もかかります。私たちは自動ミキシング機能も使用しました。これで、時間がいっそう節約されて、効率が向上しました。さらに、方法が標準化されたことは重要です。手作業でのミキシング手順には再現性がないからです。全体的に、このシステムは極めて直感的な操作を可能とし、ピペットヘッドの交換も簡単にできます。非常によく設計されている装置だと思います。」と、Alex氏は締め括りました。

VIAFLO 384チャンネルピペットを使用したプレートからプレートへの移動