INTEGRA Biosciencesのピペットで相手に差をつける

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INTEGRA Biosciencesのピペットで相手に差をつける

iGEM財団は合成生物学のあらゆる分野の発展を目的とした独立非営利団体です。iGEMは毎年開催される国際大会であり、大学生から成る学際的なチームが独自の研究プロジェクトをゼロの状態から設計、構築、テストして完成させます。取り上げられるプロジェクトのテーマは、バイオレメディエーション、治療法、持続可能な材料など、合成生物学のどの分野のものでも構いませんが、現実世界の問題解決と社会貢献を究極的な目標とするものである必要があります。参加チームはWiki、ビデオ、プレゼンテーションなどの成果物を通して研究を記録し、ライブイベントの最後に専門家の審査員によって賞が授与されます。

ブラウンシュヴァイク工科大学(TU_BS)のグループは、この大会に向けて、血液サンプル中に含まれる微量の腫瘍マーカー抗原の同定に使用できる自己増幅型検出システムを開発しました。この新しいツールは、多くのがんの早期診断と治療に貢献し、長期的には患者の転帰と生存率を改善させる可能性があります。TU_BS iGEMチームの学生の一人であるBenjamin Harder氏は、彼らが開発した新しいシステムの仕組みについて次のように説明してくれました。「私たちのプロトタイプシステムは、検出成分、レポーター、増幅システムの3つのコンポーネントで構成されています。この構成物は、検出コンポーネントに使用する単鎖可変領域フラグメントを交換することで、目的の抗原を標的とするように改変することができるため、血液サンプル中のさまざまながん代謝物を、かなりの低濃度でも同定することが可能です。」

Benjamin氏は、彼らの研究にINTEGRAのピペットを選んだ理由を次のように説明しています。「私たちの大学からiGEMチームが出たのは久々でしたので、使える実験器具もまったく揃っていない状態でした。つい最近まで、旧式のピペットと、フィッティングが良くないピペットチップしかなかったのです。また、それらのピペットには連続分注機能がなかったため、1ステップごとにいちいち試薬との間を往復するというたいへんな手間がかかっていました。こういった背景から、当然ながら、リキッドハンドリングのワークフローにかかる時間は長くなり、ミスを犯しやすくなっていました。そして、通常の研究と並行してiGEM大会の準備をしていたため、時間はとても貴重でした。そのため、ついにVIAFLO軽量電動ピペットEVOLVE手動マイクロピペットにアップグレードする時期が来たと判断したのです。」

Benjamin Harder of Technische Universität Braunschweig working with an INTEGRA pipette
Photo courtesy of Technische Universität Braunschweig

TU_UBのiGEMプロジェクトでは、PCR、制限酵素消化、ライゲーション、形質転換などの手法を使用していますが、これらの手法はすべて、扱う酵素や核酸がごく少量のため、精密で信頼性の高いピペット作業が特に重要でした。それに加えて、酵素や合成DNAなどの貴重な材料を無駄にしたくないという思いもありました。その点で、VIAFLOとEVOLVEピペットは、このチームのアプリケーションに非常に適していました。「VIAFLOとEVOLVEピペットのおかげで、リキッドハンドリング工程がより速く、より効率的になり、貴重な時間を大幅に節約するとともに、研究室の生産性を向上させることができました。また、GRIPTIPSピペットチップについても、緩んだり、ピペットから落ちたりすることがないため、非常に満足しています。これにより、手作業によるミスや高価な試薬の浪費を最小限に抑えながら、スループットを大幅に向上させることができました」とBenjamin氏は続けます。

「ピペットは軽量設計のうえ、PIPETBOY acu 2ピペットコントローラーは身体的な負荷をほぼなくしてくれるので、長時間の実験もほとんど苦になりません。また、PIPETBOYによって、分注の精度も格段に向上し、手作業によるミスを減らすことができました。INTEGRAのプラットフォームのおかげで、結果の全体的な正確さと再現性が向上し、実験結果の信頼性を高めることができました。研究室でのプロジェクトの作業は日々異なっており、予測不可能なものでした。しかし、INTEGRAの製品は、このエキサイティングな大会の決勝戦が近づくにつれ、私たちが遭遇した驚きや課題に対処するのに大いに役立ってくれました」とBenjamin氏は締めくくりました。

Different types of pipettes on a stand

2022年のiGEM大会にエントリーした全チームは、2022年10月26日~28日にフランス・パリで開催されたグランド・ジャンボリーでそれぞれのプロジェクトを発表し、最終日に入賞者が発表されました。TU_BSは、プロジェクトの革新性が評価されて銀メダルを獲得し、数ヶ月に及ぶ努力が報われたのでした。