小児腫瘍学における新しい治療経路の探索

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小児腫瘍学における新しい治療経路の探索

University Children’s Hospital Zurich(チューリッヒ大学小児病院)は、スイス最大の小児科・小児外科センターであり、世界でも有数の小児病院です。この病院は、免疫学、がん、心臓病、糖尿病、希少遺伝病など、医学のあらゆる分野にまたがる疾病メカニズムに関する基礎研究と臨床研究を数多く実施し、小児・青年期に適した新しい治療法の開発を支援しています。また、同病院の腫瘍学研究グループは、細胞および全生体レベルで小児がんの代謝について研究しており、新規治療戦略の標的となる変異誘発性代謝脆弱性の特定に重点を置いています。このトランスレーショナルリサーチは、臨床で日常的に使用されている既存の化学療法の有効性を向上し、患者の転帰の改善と副作用の軽減にも貢献しようとしています。腫瘍学研究グループの責任者であるラファエル・モルシャー博士は、彼の研究室での研究の重要性について次のように説明してくれました。「難治性がんが再発した小児は半数以上がその病気で死亡しており、このハイリスク患者グループの治療には新規治療法が早急に必要になっています。また、私たちはがん治療による長期的な遺伝毒性の影響を抑えるため、毒性の低い薬剤の開発にも取り組んでいます。」

モルシャー博士の研究室では2022年以来、病院の臨床サンプルから抽出した細胞の播種にASSIST PLUS分注ロボットを使用しています。これらの細胞は、薬物スクリーニング、生存アッセイ、および生細胞染色に使用されます。それ以前は、チームメンバーがすべて手作業で細胞を播種していたため、手作業によるミスが起こりやすく、研究室の生産性とスループットが大幅に制限されていました。こうした課題から、同グループはASSIST PLUSによる半自動ワークフローを導入することになったのです。博士は、彼の研究室でこの分注機を採用した根拠を次のように説明してくださいました。「ASSIST PLUSによる半自動化の結果、96ウェルプレートの播種にかかる時間が大幅に短縮され、1日により多くのプレートを処理できるようになったほか、より多くのハンズフリー時間を他の作業に割くことができるようになりました。このような反復的なピペット作業を手作業で行う必要がなくなったことで、少人数で多忙なチームには大きな違いが生まれました。時間短縮により、研究室のスループットを最大50%向上させることができたのです。」

The University Children’s Hospital Zurich
写真提供チューリッヒ大学小児病院

「以前は、手作業でピペット作業する際に、ウェルを一つ飛ばしてしまったり、同じウェルに二回分注してしまったりすることがよくあり、結果の再現性と信頼性に悪影響を及ぼしていました」と博士は続けました。「新しいINTEGRA分注機は、一貫した液体分注によってサンプル間、プレート間の変動を顕著に減少させ、人的ミスを排除できるのですべての分注ステップが毎回まったく同じ方法で実施されるという安心感を与えてくれます。」

モルシャー博士の研究室は、高品質のライフサイエンス機器を製造しているというINTEGRAの評判と、同僚の口コミによる個人的な推薦に基づいて、INTEGRAと提携を結ぶことに決めました。博士は次のようにも述べています。「ASSIST PLUSで使用できる分注ボリュームは0.5μlから1250μlまでと幅広く、利便性が高いため、異なるサンプル数や細胞播種のニーズに素早く対応したり、他のリキッドハンドリング作業を行ったりするのに必要な柔軟性を提供してくれます。例えば、私たちはこの分注機を、qPCRを行う際に日常的に使用しています。これは、この装置が多用途であることを証明しています。さらに、直感的に操作できるVIALAB分注自動化ソフトウェアは非常に使いやすく、プログラミングの予備知識がなくても、迅速にプロトコルを作成することができます。」

「インストールはスムーズで簡単でした。また、サポートが必要なときはいつでも、INTEGRAチームが非常に迅速に対応してくれます。これにより、ダウンタイムを回避し、小児がんに対する有効性の高い治療法を将来開発することにつながる科学的解明に向けて、前進し続けることができるでしょう」と博士は締めくくりました。

モルシャー研究所の最先端のトランスレーショナル・リサーチの詳細については、ラファエルによるこの洞察に満ちたウェビナー「がん代謝を標的とした精密腫瘍学」をご覧ください。

Exploring new treatment pathways in pediatric oncology
写真提供チューリッヒ大学小児病院