· ユーザー証言
自動分注による世界最大のscRNA-seqデータセットの構築
創薬のためのシングルセルRNAシーケンシング
Tahoe Therapeutics(旧:Vevo Therapeutics)は2022年、scRNA-seqを用いて、薬剤が患者の細胞とどのように相互作用するかを記述した世界最大のアトラスを作成することを掲げて設立されました。同社はすでに複数のがん種について複数のプログラムを並行して実行しており、現在は心血管系疾患、代謝系疾患、神経変性疾患など、他の治療分野にも乗り出しています。
Tahoe Therapeuticsがこのアプローチを選択した理由は、scRNA-seqでは、従来のシーケンシングワークフローよりも大規模なデータが得られるからです。同社の共同設立者兼最高科学責任者(CSO)のJohnny Yu氏は次のように話します:「scRNA-seqは、従来のバルクシーケンシングでは簡単に解明できなかった、異なる細胞タイプの多様な薬物応答に関する理解を深めることができます。私たちはハイスループット法を用いて、単一細胞レベルで多くのデータを生成しており、当社の最初のデータセットであるTahoe 100 million は、この分野で過去最大を記録しました。これは事実上、過去10年間で構築されたすべての公開データの2倍の規模に相当します。」
ワークフローを改善するオートメーション
Tahoe Therapeuticsは、複雑な生物学的モデル系を用いた独自のバイオアッセイを開発してきました。同社はParse Biosciences社のEvercodeキットを用いてscRNA-seqを実行し、創薬モデルに資するスケーラブルなデータ生成を実現しています。世界最大のscRNA-seqデータセットを構築する、というその目標を達成するため、同社のチームにとってラボの自動化が不可欠となっています。「私たちは、より多くのデータを生成し、この分野の限界を押し広げる中で、ロボット工学やハイスループットのソリューションが不足していることにすぐに気づきました」とYu氏は話します。
INTEGRAがParse Biosciencesと連携したことで、INTEGRAのソリューションはTahoe Therapeuticsの自動化のニーズへの明確な第一選択肢となり、scRNA-seqのサンプル調製のあらゆる段階をカバーする、有効かつ速攻的なソリューションが実現しました。Yu氏のチームはASSIST PLUS分注ロボットと8チャンネルのVIAFLOハンドヘルド電動ピペットを使用して、Evercodeのsc-RNA-seqワークフローを自動化しています。「ASSIST PLUS分注ロボットの主な利点の一つは、その柔軟性です。このシステムには、Parse Evercodeのシングルセルワークフロー用のプロトコルが組み込まれているうえ、scRNA-seqのサンプル調製だけでなく、さまざまなアプリケーションのためのプログラミングをあっという間に実装することができました」とYu氏は説明します。「これは私たちのような小さな研究室では重要なポイントです。というのも、多くの異なるプロトコルを実行するからです」。多様なスキルを持つ少人数のチームにとって、複数のタスクに対応する直感的なプログラミングは極めて重要です。「ASSIST PLUSが、自動化を謳う他の高価なソリューションと決定的に異なるのは、そのシステムについて何年もの経験を有する自動化のエンジニアがいなくても自分で設定できる点です。私たちのチームでは、自動化の経験がない2人のメソッド開発者がこのシステムに携わっていますが、新しいメソッドを他のチームメンバーに素早く展開することができます」とYu氏は言います。
チームのワークフローを正確なタイムポイントに合わせて厳密に調整するとともに、生きた細胞を迅速かつ丁寧に扱う必要があります。INTEGRAの自動化ソリューションのスピードとParse Biosciencesの製品を組み合わせることは、多量の生物学的サンプルを並行して処理できることを意味します。この組み合わせがもたらすスピード、正確さ、再現性は、Tahoe Therapeuticsにとって研究をスケールアップし、記録的なデータセットであるTahoe 100 millionの50倍のデータセットを生成するうえで極めて重要になります。Yu氏は「ワークフローの単一細胞調製部分については、自動化によってデータ生成のスループットが5倍以上向上しました。最も重要なことは、精度が高いということ、つまり、ばらつきが発生する手作業による操作に依存していないということです」と言います。
素晴らしいカスタマーサービスとサポート
ラボの自動化というINTEGRAのソリューションはTahoe Therapeuticsの業務に欠かせないものとなっており、ハイレベルのカスタマーサービスとサポートがあるかが重要になります。Tahoe Therapeuticsのチームは、技術的な問い合わせに対していつでも迅速な対応を受けたり、ワークフローの効率化に役立つ、調達に関するテーラーメイドのアドバイスを受けることができます。「INTEGRAはサービス部門とセールス部門が密に連携しており、これは非常に有益だと感じています」とYu氏は説明します。「私は同社の営業担当者の名前を知っていますし、彼女が飛行機で移動中のときでさえも連絡を取ったことがあります。ですから、問題が発生しても、彼女が親身になって目の前の課題に対する正しい解決策を見つけてくれると信じています。その関係性こそがINTEGRAを他社とは異なるものにしていると思います」。
リキッドハンドリングと次世代シーケンシングのための一体型プラットフォーム
INTEGRAの自動分注ロボットとParse Biosciencesのシングルセルプロトコルを組み合わせることで、Tahoe Therapeuticsは一体化されたアプローチを利用できるようになりました。ASSIST PLUSの強力で直感的なプログラミング機能は、INTEGRAの卓越したサポートと相まって、この分野の限界を押し広げ、旧来の技術を使う競合他社を大きく引き離すことができました。Yu氏は「最新のバイオ医薬品研究の多くは、10年前の手法であるバルクRNAシーケンシングに基づいています。私たちは、導入した技術によって多くのバイオ製薬会社を大きく引き離し、より少ない装置・試薬・投資でより大規模なデータセットを生成することができています」と言いました。