VOYAGERピペットを用いたCOVID-19のハイスループットスクリーニング

· ユーザー証言

VOYAGERピペットを用いたCOVID-19のハイスループットスクリーニング

「フロリダはSARS-CoV-2ウイルスのホットスポットなので、通りを挟んだ向かい側のフロリダ大学ヘルス・シャンズ病院から多くの患者サンプルを集めることができました。それからCRISPRを用いてRNA依存性RNAポリメラーゼ遺伝子など、変異しにくい特定のウイルスゲノム保存領域を標的にします。これらの保存領域を標的にすることで、イタリア、米国、香港のように離れた地域からのコロナウイルス変異体に対しても陽性の結果を得ることができます。」

ハイスループットピペッティングにより時間を短縮

INTEGRAのVOYAGERチップ間隔可変ピペット は、すぐに研究室のワークフローに欠かせないものとなりました。同氏は続けます。「前立腺がんやその他の病原体に関する研究にはサンプルには96ウェルプレートで十分だったのですが、SARS-CoV-2ウイルスの研究を始めたとき、1日に何度も反応検査を行う必要があり、すぐに384ウェルプレートに変更する必要があることに気づきました。当初は、サンプルを96から384ウェルプレートに分注する際に、通常のチップ間隔固定のマルチチャンネルピペットを使って、交互にウェルを使用して実験を行うしか選択肢がありませんでしたが、この方法では膨大な時間がかかりました。また、約100種類の病原体を対象としたアッセイを行い、COVID-19のみに有効に機能することを検証します。そのため、毎日何千もの反応を準備して処理するため、実験デザインとサンプルの分注に費やす時間を短縮する必要がありました。チップ間隔可変ピペットを使ってプロセスを高速化したいと考え、チップ間隔の調整が手動ではなく自動で簡単に行うことができるシステムを探していたところ、YouTubeでVOYAGERピペットの動画を見つけました。VOYAGERピペットは希望どおりのピペットでしたので、地域担当セールスに相談し、容量が12.5 µlと50 µlのピペット2台を僅か数日のうちに配送してもらいました。非常に使いやすく、タッチホイールに慣れるまで10分程度ピペットを使ってみましたが、デフォルトの間隔設定は問題なく機能しているため、何も変更する必要はありませんでした。今では、タッチホイールをクリックするだけで、チップ間隔を自動で調整できるようになりました。VOYAGERを使用し始めてからは、1日に2倍のサンプル数を処理できるようになりました。」

Long Nguyen
Photo Courtesy of University of Florida

正確かつ安定したサンプル移動

GripTipピペットシステムは安定したサンプル分注作業に寄与しています。同氏は以下のように付け加えました。「GripTipsはすばらしいです。非常に正確で、プレートのすべてのシングルウェルでサンプル量が一定になるのでとても満足しています。さらに、GripTipsの設計により、ウェルとサンプル間の汚染を排除すること可能になります。このチップは他のピペットチップと比べて非常に長くて細いので、チューブの壁にチップが触れるのを防ぐことができます。」

研究チームは、COVID-19スクリーニングプラットフォームのFDA承認が得られ、数週間以内に実用できるようになることを期待しています。「私たちは小さなチームで、ロックダウン以降は研究室に入室できるのは数名のみでしたが、VOYAGERを使うことでワークフローがより速く、より効率的になりました。私たちはVOYAGERを非常に気に入っており、スループットをさらに向上させることができるASSIST PLUSピペッティングロボットなど、他のINTEGRA製品も試したいと考えています。」と同氏は締めくくりました。

Long Nguyen
Photo Courtesy of University of Florida