· ユーザー証言
スタートアップ企業である当選者が革新的な腫瘍抗体浸透技術を開発
Creasallis社は、固形腫瘍への浸透の改善によって抗体療法の弱点を克服するソリューションを見出すことを目的として、2021年に創設されました。若いスタートアップ企業でありながら、既存のどの抗体にも組み込める、特許取得済みのプラグアンドプレイ技術である革新的なCreaTap[Creasallis Tumor Antibody Penetration(腫瘍抗体浸透)]を開発して、この研究領域において著しい進歩を既に遂げています。タンパク質科学部門長を務めるジョイス・ラッティ博士から、次のとおりご説明いただきました。「抗体療法は腫瘍学のための革命的なソリューションですが、その重大な弱点の一つは、抗体ベースの薬剤は腫瘍に浸透する能力が不十分であるため、腫瘍の表面しか治療されないことが多いことです。そのため、より高い浸透能力を持つ抗体の新しいプラットフォームの研究と開発を目的としてCreasallis社が創設され、現在臨床使用されている多数の分子について概念実証を作成しているところです。まだ初期段階ではありますが、この技術は将来がん治療にいくつかの恩恵をもたらす可能性があると当社は期待しています。そのような恩恵の例として、外科的切除の前に腫瘍の体積を減らすこと、薬剤の用量が減らせること、よりステージが進んだ症例を治療できること、患者の転帰が改善することなどが挙げられます。」
小規模ながら強力なチーム
Creasallis社は、抗体ベースの治療薬の開発において20年以上の経験を有する少人数の専門チームを擁しており、今後同チームによって同社の事業計画が確定され次第、急成長を遂げたいと願っています。同社は現在バブラハム・リサーチ・キャンパスにある共用実験施設内で事業を営んでいますが、そこにあるピペットはいくつかのスタートアップ企業の間で共有されています。そのため、同チームは専用のピペットセットを入手することを望んでいました。これについて、ジョイス博士から次のとおりご説明いただきました。「私たちが利用できるのは、さまざまな研究者の間で共有されている共用のピペットセットであり、このような状況は特に生物学的製剤を取り扱う場合には理想的ではありません。例えば、細菌用に使用されたピペットを組織培養に使用するのは、コンタミネーションのリスクがあるので私は以前から嫌がっていました。理想的には、当社は細胞培養、タンパク質研究など、それぞれの業務ごとにピペットを指定するのに十分な機器が必要です。」
同社は、この問題の解決に役立てるため、「NTEGRAスタートアップ企業支援(INTEGRA supports start-ups)」コンテストに応募しました(このコンテストは2023年4月をもって終了しました)。ジョイス博士から以下のとおりコメントをいただきました。「私がINTEGRAの懸賞に応募したのは、過去にINTEGRAの製品を使って仕事をしたことがあり、ケンブリッジにいる同社のアカウントマネージャーと素晴らしい取引関係を築くことができたからでした。そのアカウントマネージャーはいつも非常に頼りになる人で、私が助言を求めると、快く助言してくれます。INTEGRAの優れた顧客サービスは、同社を他の企業とは全く別格にしている点だと私は考えています。ですから、もう一度同社と仕事をしたいと強く思っていました。」
事業の成長を支援する
同社は懸賞に当選して、シングルおよびマルチチャンネルEVOLVE手動マイクロピペットを50本と1,000米ドル相当のECOラックGRIPTIPS®に加え、実験室アクセサリーも獲得しました。これらの景品を使用することで、0.2~5,000μlの液量を正確に分注することが可能になります。ジョイス博士から、「大変気前のよい景品で、期待をはるかに超えるものでした。」と続きのコメントをいただきました。さらに、次のコメントもいただきました。「全部で50本の新品のピペットは、各業務に1セットずつ指定するのに十二分であり、汚染防止に役立ちます。さまざまな液量範囲が利用できるようになったことも非常に有益です。最も重要なことは、今回の当選によって、当社は研究室の能力を拡大し、今後準備が整い次第、より多くの社員を採用するためのリソースを確保できたことです。これは、この新しい研究領域の促進につながるでしょう。」