VOYAGERピペット:細胞内原動力の研究に大きく貢献する労働力

· ユーザー証言

VOYAGERピペット:細胞内原動力の研究に大きく貢献する労働力

欠陥修正治療薬のスクリーニング

英国ニューカッスル大学医学部内にあるミトコンドリア研究のウエルカムセンター(WCMR)は、ミトコンドリア障害とそれがヒトの健康に及ぼす影響をあらゆる側面から研究しています。その目的は、病因メカニズムを研究し、ミトコンドリアの健康を回復させることができる画期的な治療薬を進歩させることによって、ミトコンドリア病およびミトコンドリア機能障害の患者の生活を一変させることです。WCMRで活発に進められている研究分野は、多数の治療薬候補化合物をスクリーニングし、ミトコンドリア機能を回復させることによって患者の生活の質を改善することができる薬剤を特定するための新しいアッセイの開発です。この学際的な研究チームは、ハイスループット手法を使用して大規模な化合物ライブラリーをスクリーニングし、数千もの候補から最も有望な少数の化合物に絞り込みます。

WCMR内の研究者は、彼らのハイスループットスクリーニングアッセイのさまざまなステップと組織培養法に、VOYAGERチップ間隔可変電動ピペットをGRIPTIPS®ピペットチップと組み合わせて使用しています。同グループの研究者の一人であるアダム・クレイ氏は次のように説明してくれました。「ミトコンドリア病の病理には極めて大きな不均質性が関与しており、センター内にはこれらの障害の全く異なる側面を研究している人々がたくさんいます。私たちのチームは、大規模な化合物ライブラリー由来の薬剤を使って研究し、さまざまな突然変異を持つ患者の細胞株でそれらを試験することによって治療薬を見つけることに重点を置いています。作業の複雑さを考慮すると、正確さと効率が私たちの研究プロセスでは非常に重要です。INTEGRAのVOYAGERピペットのような、用途が広く信頼性の高い装置を持つことは、1日ごとに全く異なる化合物とアッセイに集中することができるので、状況を一変させることができます。」

Adam Creigh
写真提供ニューカッスル大学のウェルカムミトコンドリア研究センター

快適さと柔軟性を提供する多用途なツール

VOYAGERの人間工学に基づいたデザインは、ピペット作業に長時間費やすことが多く、快適さと使いやすさが極めて重要となる研究者にとって重要です。アダム氏は次のように続けました。「何千もの治療薬候補化合物のスクリーニングには膨大な量のリキッドハンドリングが必要で、信じられないほど多くの繰り返しが必要な作業です。繰り返し行うアッセイが非常に多いので、高レベルの正確性と精度を維持しながら、人為的ミスと機器のエラーのリスクを少なくすることが重要です。VOYAGERは軽量設計なので手の疲労と負担が少なく、不快に感じることなくより長時間作業することが可能です。そのため、私たちの生産性だけでなく研究室の全体的な健康にも好影響を及ぼしました。さらに、ボタンを押すだけでチップ間隔を変更し、さまざまな種類のプレートとウェルに対応することができます。この柔軟性は、さまざまなアッセイとサンプルフォーマットを扱う際に非常に助かります。さまざまなピペットを取り替えたり、チップ間隔を手動で変更したりする必要がないので、時間と労力が節約できます。いまだかつてGRIPTIPS®がVOYAGERから脱落するという問題が発生したことはなく、この組み合わせは私たちのワークフローに驚くべき利便性と効率性をもたらしてくれます。」

VOYAGERの信頼性と精度は研究者に認められています。同氏は次のように付け加えました。「これまでに使用した他のピペットはピストンの破損や容量の不正確さなどの問題が頻繁に発生しましたが、INTEGRAの電動ピペットは一貫して優れた結果をもたらしてくれます。そのため、VOYAGERにはセンター全体で常に需要があります。それによって得られる再現性の高さ、キャリブレーションの簡単さ、容量変更の速さのおかげで、私たちのワークフローの効率が向上しました。」

繊細な細胞株のための吸引速度調節機能

吸引速度を細かく調節する機能は、人工多能性幹細胞(iPSC)由来ニューロンなどの繊細な細胞株の場合は特に、せん断力を最小限に抑えて細胞生存率を維持するのに重要です。同氏は次のように続けました。「わずかな衝撃を繊細な細胞培養プレートに与えただけでも、細胞が表面から剥がれて実験が台無しになってしまう場合がありますが、VOYAGERは吸引速度をプログラムできるので、手動以上のコントロールが可能で、このような細胞株を慎重に、しかし効率的に扱うことができます。低速の穏やかな吸引に設定すると、ピペット作業中に細胞が攪乱されず、研究に不可欠なレベルの精度が確実に得られます。」

新しい治療薬の探索を進める

「吸引速度調節機能、チップ間隔可変機能、人間工学に基づいたデザインにより、VOYAGERは私たちのミトコンドリア病研究に不可欠なツールとなっています。将来的に、ハイスループットスクリーニングの能力を拡張するために、容量の異なるこれらのピペットをさらにいくつか入手したいと考えています。それによって、ミトコンドリアの機能障害に起因する重度の表現型に苦しむ人々のための治療薬を見つけるという私たちの使命を推し進めます」と同氏は締めくくりました。