自動分注ソリューションによるSLCモジュレーターのスクリーニングの合理化

· ユーザー証言

This article was originally published on 09. 5月 2025 and has been updated.

自動分注ソリューションによるSLCモジュレーターのスクリーニングの合理化

SLCを標的として複雑な疾患に取り組む

2020年に創業したSolgateは、主要な栄養素、代謝産物、シグナル伝達分子、イオンの細胞への取り込みと分布を制御する膜タンパク質であるSLCを調節することによって、疾患の経過を変化させることを目指しています。Solgateのシニア・サイエンティストのゲオルギー・ディムチェフ氏は、この見過ごされてきたタンパク質の一群が、なぜ重要な研究の優先事項となっているのかを次のように説明します。「SLCは、これまで研究が困難であった大規模かつ未解明なタンパク質の一群です。多くのSLCの詳細な構造情報は、最近になってようやく分かってきたか、あるいは今なお分かっておらず、ほとんどの場合、いくつかのSLCトランスポーターに関する正確な機能や基質は不明です。とはいえ、これらのトランスポーターは細胞の恒常性維持に不可欠であり、その機能不全は、代謝異常、炎症性疾患、神経疾患など、さまざまな疾患に関連しています。そのため、SLCは薬理学的に非常に魅力的なターゲットとなります。

低温電子顕微鏡法(cryo-EM)などの技術の進歩や、より洗練された生物学的アッセイの開発により、SLCを標的とした創薬に新たな道が開かれるようになりました。Solgateは、化学、細胞生物学、計算ツールを組み合わせた専用プラットフォームを開発し、疾患に関連するSLCの同定や、強力で選択的なモジュレーターの設計を行っています。研究チームは、疾患と強い遺伝的関連性を持つ標的を優先し、低分子治療によってトランスポーターの機能を回復または修正させることを目指しています。

複雑な測定をサポートする自動化ワークフロー

同社の創薬アプローチの中核はハイスループットスクリーニングです。同チームは、384ウェルプレートを用いた精密な顕微鏡アッセイを日常的に行っており、毎週数百のサンプルを処理しています。それぞれのワークフローには、細胞の播種、化合物の投与、インキュベーション、染色、固定といった一連の複雑なステップが含まれます。自動化は、同社の実験室がこの複雑さを大規模に管理するために不可欠な要素となっています。「複数のプロジェクトでかなり多くのプレートを扱う際に必須となるのが、再現性の確保です」とディムチェフ氏は言います。「手作業による分注は、作業効率が低下するだけでなく、ばらつきのリスクが高まります。私たちは、ばらつきを最小限に抑えるため、可能な限り多くの工程を自動化しています。」

再現性と信頼性の向上

同社の実験室では現在、分注ロボット「ASSIST PLUS」軽量電動ピペット「VIAFLO」を用いて複数の研究パイプラインの標準的作業を自動化し、実験間の一貫性を高めています。これは、主要なアッセイが毎週繰り返される実験室では不可欠な要素です。「私たちは、新たな化合物を用いて毎週のように同じアッセイを行い、標準化されたコントロールを使って結果を正規化しています」と、ディムチェフ氏は説明します。「分注にばらつきがあると、コントロールが同じように機能せず、アッセイの信頼性が損なわれてしまいます。そのため、私たちはできる限り自動化の活用に注力しています」。

INTEGRAの自動化ソリューションは、試薬の一貫した供給を確保し、手作業によるミスを排除できるうえ、正確に位置を合わせて制御された分注機の動きにより、デリケートな細胞層が破壊されることがありません。こういった要素が組み合わさることで、実験間で質の高い再現性のあるデータを生成できます。

これから経験を積んでいくチームにぴったりな、直感的なリキッドハンドリングツール

実験室の自動化には複数の潜在的なメリットがあるにもかかわらず、科学者が簡単に理解できて実行できる場合にのみ、その効果が発揮されます。Solgate社がINTEGRAの分注ソリューションを選択した主な理由のひとつは、その使いやすさです。というのも、このスタートアップ企業では、大がかりなトレーニングを必要とせず、科学者の経験値にかかわらずに、すぐに採用できるツールを必要としていたからです。Solgateのリサーチ・アソシエイトのイヴァナ・リンクレイク氏は次のように話します。「分注ロボット「ASSIST PLUS」と軽量電動ピペット「VIAFLO」はとても使いやすく、新入社員からシニア・サイエンティストまで、実験室のスタッフ全員が使用しています。INTEGRAの各分注機で操作が共通しているため、基本的な作業からより複雑な多段階の手順まで、使い方を簡単に習得できます。」

ディムチェフ氏は次のように付け加えます。「VIALABソフトウェアも同様に、直感的に使えます。手順を視覚的にマッピングしてシミュレーションを行い、それを分注ロボット「ASSIST PLUS」に直接アップロードすることができます。プログラム間の切り替えも数回クリックするだけですし、インキュベーションの一時停止時間やユーザープロンプトを組み込むこともできるため、最小限の介入でプロセスを進めることが可能です。」

Ivana Rinklake
写真提供Solgate

卓越したカスタマーサービスとサポート

さらに、INTEGRAのカスタマーサービスも、Solgateの仕事を支える上で重要な役割を果たしています。技術的な問い合わせへの迅速な対応、新しいワークフローの構築支援、修理が必要な場合の迅速な対応といったメリットを提供しています。必要であればサポートをいつでも受けられ、これは急速なペースで研究が進む環境において不可欠です。リンクレイク氏は次のように説明します。「トレーニングが必要な時も、トラブルシューティングや修理の手配が必要な時も、INTEGRAの担当者はいつも迅速かつ親切に対応してくれます。サポートに何週間もかかるような他の多くの実験機器会社とは異なり、INTEGRAは迅速で柔軟性があり、一歩先を見て対応してくれます。」

最先端の科学を支えるスケーラブルなソリューション

INTEGRAの分注システムは、Solgate社がハイスループットリサーチを拡大するのに必要な基盤を提供してきました。機器の使いやすさと信頼できる性能に加えて、INTEGRAの迅速なサポートのおかげで、Solgateのチームは技術的な制約によって遅れをとることなく、科学的な目標の達成に集中することができています。リンクレイク氏はこう締めくくりました。「分注ロボット「ASSIST PLUS」と軽量電動ピペット「VIAFLO」のシステムは、まさに私たちが必要としていたものです。これらは、スタートアップ企業であろうと、大規模な研究所であろうと、科学の迅速な発展に役立つツールです。私たちにとっても強固なスクリーニングプラットフォームの構築に役立っており、同社とともに成長しているといえるでしょう。」

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