バクテリオシン試験における移動ステップの削減と高速ピペッティング

· ユーザー証言

バクテリオシン試験における移動ステップの削減と高速ピペッティング

NOMAD Bioscience社では、INTEGRAのVOYAGERチップ間隔可変ピペットが植物ウイルスベースの発現ベクターの遺伝子操作およびバイオテクノロジー向けの植物の一過性修飾のためのワークフローで使用されています。同社の取り組みの拠り所は、多量の関心タンパク質を産生するために緑色植物を宿主として利用することです。発現ベクターは、アグロバクテリウム溶液の葉への注入または同溶液の葉への単純な噴霧により、アグロバクテリウム介在性形質転換を介して、タバコの近類縁体であるNicotiana benthamiana(ベンサミアナタバコ)の苗に一時的に送達されます。

宿主植物内でアグロバクテリウムにより産生される抗微生物バクテリオシンの研究はNOMAD社にとって非常に重要な研究分野であり、同社で取り扱われている細菌は、Klebsiella(クレブシエラ)、Pseudomonas(シュードモナス)、Clostridia(クロストリジウム)、Escherichia coli(エシェリキア・コリ)、Salmonella(サルモネラ)をはじめ、多岐にわたります。研究科学者であるBirgit Koch氏は次のように説明します。「私の研究では、アグロバクテリウムから植物内へ移送されるベクターを産生するため、分子クローニングに着目しています。これにより、目的のバクテリオシンペプチドの植物内での発現が可能になり、これに続く下流のペプチド精製研究において、得られたバクテリオシンの抗菌活性の検討が行われます。この研究の大部分は同一の基本ワークフローに基づいており、このワークフローには培地およびゲルの調製と分注も含まれます。VOYAGERの使用により、これらの作業をはるかに精密かつ効率的に行えるようになりました。」

VOYAGER adjustable tip spacing electronic pipette

VOYAGERは救いの手

VOYAGER電動ピペットを使用することにより、NOMADチームは最大8チャンネルに対して5~125 µlの液量を効率的に同時ピペッティングすることができるため、必要な移動ステップを削減することができます。Birgit氏はさらに続けます。「抗菌活性試験は、VOYAGERが移動ステップの削減に最も役立つ適用例です。当社では、角型ペトリ皿(12 x 12 cm)に入れた寒天ゲル上で増殖させた細菌に当社のペプチド溶液をピペットで滴下するspot-on-lawn法を用いたアッセイを行っており、細菌が死滅すれば当社のバクテリオシンが作用しているということになります。また、それとは逆に、バクテリオシンを含有する寒天に細菌をピペットで接種し、細菌が増殖するか確認するアッセイも行っています。かつては、手動式のシングルチャンネルおよびマルチチャンネルピペットを使用して長時間作業をしていました。この方法では、活性アッセイのためのプレート作成に40分かかっていました。今では、VOYAGERを使用して、10分以内に作業が完了します!私はクローニングでもVOYAGERを使用して、試料を寒天ゲルに塗布しています。さらに、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法にもVOYAGERを使用して、精製後の産生物を可視化しています。電動ピペッティングは、手動ピペッティングで典型的に起こる重大な誤差がないため、時間を節約するとともに、信頼性が高く、吸引および分注の精度が高くなります。これにより、結果が向上し、ラボにおける生産性が向上します。」

The NOMAD team working with the VOYAGER electronic pipette

「当社がVOYAGERを選択した主な理由は、ボタンを押すとチップ間隔が自動調節されることです。INTEGRAは、この特長を備えたピペットを提供する唯一の企業であり、VOYAGERは直感的で使いやすい製品です。GripTipピペットチップはしっかりと装着されているので、液漏れのリスクを実質的に排除できます。これも当社にとって重要でした。INTEGRAのカスタマーサービスも卓越しています。実に親しみやすく、丁寧で迅速です。INTEGRAは当社に素晴らしい助言をしてくださいました。また、当社が何のために適切なピペットを実際に必要としているのか、そして当社の目的が何であるのかを探索して、当社が適切なピペットを選択できるよう支援してくださいました。失望することがなかったことは確かです」と、Birgit氏は締めくくりました。