· ユーザー証言
自動リキッドハンドリングとの統合でNGSライブラリー調製に革命を起こす
NGSの登場により遺伝子研究に変革が起こり、膨大な量の遺伝物質を迅速かつ高い費用対効果で分析できるようになってきています。しかし、ますます大量のサンプルを処理しようとすると、ライブラリー調製のステップがシーケンスワークフローの障壁になってしまう可能性があります。seqWell社は、この課題に対処してNGSライブラリー調製に革命を起こすことを目的として、2014年に設立されました。同社は、迅速なプラスミド配列決定サービスを提供する一方、クライアント自身がゲノム配列決定を行うためのライブラリー調製キットも製造しています。seqWell社の強みは、実に多様で複合的なソリューションを提供していることであり、ユーザーは数百から数千のサンプルからNGSライブラリーを迅速に調製することができます。seqWell社のシニア・オートメーション・エンジニアのジョン・パリス氏は次のように説明しています。「我々はトランスポゾン媒介試薬を微調整することで、DNAの断片化、アダプターのライゲーション、そして増幅を1ステップで実行できるようにしました。さらに、当社が製造するすべてのキットには、シンプルで簡単なNGSワークフローを保証するためのノーマライゼーション試薬が含まれています。特にExpressPlexライブラリー調製キットは、迅速かつ効率的にライブラリー調製を実現する画期的な製品であり、わずか90分のシングルステップでワークフローを完了可能です。これにより、研究者は実作業に費やす手間を減らしながら、データの分析や結果の解釈に多くの時間を使うことができます」。
seqWellの研究製造チームは、キットや試薬の製造をスピードアップさせる自動化ソリューションがないか常に意識を働かせています。この目標を達成するため、同社はINTEGRAのWELLJET試薬ディスペンサーを、TecanのFluent®オートメーション・ワークステーションに組み込むことにしました。このような一体化を行うことで、ExpressPlex試薬のプレートへの充填およびシーリングを自動化でき、その場を離れていながらハイスループットを実現できる製造工程が保証されます。
パリス氏は続けて次のように話します。「TecanのリキッドハンドラーにWELLJETを統合する作業は、両装置のインターフェースがシンプルであること、プログラミングが容易なこと、操作性が優れていることに加えて、INTEGRAの充実したカスタマーサポートのおかげで簡単でした。この2つのシステムを組み合わせることで、ライブラリー調製キットの製造工程が合理化され、1バッチで最大50枚のプレートを充填することが可能になりました。Tecanの装置がすでに使用中であれば、そこからWELLJETを取り外して単独でプレート充填に使うこともできるため、柔軟性が非常に高くとても便利です」。
seqWell社の製造チームは、NGS法の人気が高まるにつれて、1日あたりのシーケンシングの依頼件数が多くなることに伴い、顧客需要が増えると予想しています。「私たちの目標は、遺伝子の配列決定作業をより身近で効率的なものにすることで、研究者の皆さんが生命科学や医療分野において革新的な発見を生み出せるようサポートすることです。INTEGRAやTecanなどが提供する最先端のオートメーション技術は、世界中の研究室がこれを達成するのに役立っています」とパリス氏は締めくくりました。